感覚を研ぎ澄ませる ─五感と感性がやさしく目を覚ます

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感覚のシャッターが、少しずつ開いていく

現代の生活は、とにかく「視覚優位」。スマートフォンやパソコン、テレビ、看板、広告……毎日、目から膨大な情報を受け取り続けています。

その一方で、私たちは音や香り、手触りなど、その他の感覚を置き去りにしがちです。

過剰な刺激にさらされた視覚は疲弊し、「見栄えが良ければそれでいい」と、本当は違和感を感じているのに置いてきぼりの他の感覚は、どんどん鈍くなります。

やがて、目以外では、“何も感じない” “何を感じているか分からない”という状態に陥ってしまうことも。

こうした「感覚の鈍化」は、気づきや直感、心の動きの変化に鈍くなる要因のひとつと考えられます。

ヨガニドラの潜在意識へのアプローチはこちらから

音と沈黙で目覚めていく感覚

ヨガニドラの特徴は、目を閉じて行うので、“視覚”をほとんど使わないこと。

ガイドの声に耳を傾け、音に集中し、身体の感覚に意識を向けていくことで、普段眠っていた「五感」のアンテナが、少しずつ開いていきます。

深く耳を澄ませること。それは「聴く」という感覚を超えて、身体全体で音や声を“感じる”ような体験です。

また、音声ガイドによっては、暖かさや冷たさを具体的に感じるプロセスが出てくることもあります。それは、「体温を感じる」という触覚的な感覚に、強く意識を向けることになります。

そして、音がない “間” ──いわゆる沈黙にも、心を静かに解放する力があります。

沈黙は現代の日常生活とは最も遠くかけ離れた現象です。

ヨガニドラでは、時に沈黙を過ごすことで、声のトーンや間、沈黙の余白に感じる ”目に見えないエネルギー” のようなものを、視覚以外の感覚で感じることもあるでしょう。

沈黙を怖がらずに味わうことで、より繊細な感覚が浮かび上がってくるのです。

これらのプロセスを繰り返すことで、感覚が少しずつ、でも確実に、やさしく目覚めていくのです。

感性は、静けさの中で育つ

感覚が磨かれていくと、日常のちいさな変化にも気づきやすくなります。

たとえば、朝の光がやさしいと感じたり、肌にふれた風が心地よかったり、鳥のさえずりが耳に入ってきたり、毎日歩いている道に花が咲いていることに気づいたり──

意識を向ければ、小さな幸せな発見は、毎日山のように私たちに訪れているのです。しかし、残念ながら忙しい毎日では、そんな気づきも見過ごしてしまいがち。

でも、そんな小さな発見こそが、「今日はちょっとだけいい日だった」と思える、大切な要素になるです。

また、香りに敏感になることで、自分にとって安心する香りや、好きな空間が明確になることも。そうした“自分の感覚”に気づくことは、繰り返し続けていくことで、自分自身を知ることにもつながります。

あなたは自分の「したい」や「好き」を知っていますか?

ヨガニドラで感覚を整えることは、内側に眠っている「繊細な感性」を思い出す時間でもあります。
それは、芸術的なセンスというよりも、「いま、この瞬間を味わえる力」のようなもの。

好きなこと、やりたいこと、苦手なこと、やりたくないこと──
「どれでもいい」「なんでもいい」「一緒でいい」「分からない」と、ご自身の感覚を蔑ろにしていませんか?

日々のほんの些細な決断に、自分で感じた「感覚」をのせることは、自分を好きになる第一歩でもあります。

あなたの感性は、外野のノイズがない、静けさの中で磨かれていきます。

ヨガニドラは、その“静けさにひたる”という時間を、自分に許すための入り口なのです。


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